ニコ生「蒼穹のファフナー」第19、20話感想

2015年9月8日22:00~ ニコニコ生放送

 

 真矢の訓練終了、一騎が家まで送るシーンは、ドラマCD『NO WHERE』で描かれた中学校の入学式の時、一騎が翔子をおぶって学校へ連れて行ったエピソードと重なる。

 真矢は戦いに身を投じて自分が変わることを肯定しているけど、一騎は別のものに変わることを恐れていた。

 一期19話が家族回だけど、新たに家族を得た人々がいる。道生と弓子、容子とカノン、総士と乙姫。

 真矢を迎えるのが一騎で、千鶴はそれを見守るのみ。この時、一騎と真矢はいい雰囲気なので、普通だったらこの先、一騎と真矢の関係が進展するんだろうけど、一騎に総士と真矢のどちらをえらぶという究極の選択をさせた。結果、一騎は総士と一緒にいることを望み、真矢は気心の知れたいい友だちというポジションに収まった。

 やはり総士が一期26話でいなくなるという結末でなければ、一騎と真矢はいい関係になれたのかもしれない。一騎には総士が絶対に必要で、そうなった時に一騎は気持ちが真矢へ向く。

 一期24話、ひとり山での一騎と真矢の会話では、真矢自身、自分が総士と同等の存在になれないとわかっているので、真矢が一騎に対して一歩引いているように感じる。

 戦闘後、家族がパイロットを出迎えて終わる。一期19話のラストが一番理想的な戦闘後の光景なんだと思う。一期19、一期20話が一番平和で、当然のことながらこの状態は長持ちせず、崩壊していく。

 EDを見て、真矢が19話/26話でパイロットというのは遅いと思った。総士がパイロットになるのは36話(26+1+9)/26話。

 灯籠を見送るシーンで真矢、一騎、総士の順に並んでいるけど、これは『EXODUS』2クール目のPVにある草原に3人が座っているシーンと同じ並び。

 総士は『EXODUS』6話で「ぼくはコアの言葉に従う。ずっとそうしてきたように」と言っていたけど、一期18話と一期20話は島のコアの望みを叶えるために茶番を仕掛けている。その結果、乙姫と総士が島の未来の決定権を子どもたちに与え、島を作った大人たちは自分たちの選んだ道が正しかったのかどうか、ただ見守るのみ。

 『EXODUS』で島の未来を選んだのは美羽なので、確実に世代交代している。

 一期では甲洋を受け入れフェストゥムとの共存を選び、『EXODUS』では美羽がエメリーを受け入れて人類との共存を模索ということか。

 子供たちがフェストゥムに同化された甲洋を受け入れていたけど、一期13話の遠見先生の台詞「一騎君がこの施設をどう思うのか聞いてみたいんです。フェストゥムと何度も戦った彼の目に、同化現象を積極的な進化と捉える研究がどううつるか」を思い出した。一期20話がこの問いへの答えなのかも知れない。

追記:一期20話のEDで流れたSeparations[pf]のヴォーカル・オフ・ヴァージョンはangela「宝箱と宝箱2が入ったブルーレイで聞くやつ」で聞くことができます。