ニコ生「蒼穹のファフナー」第17、18話感想

2015年9月1日22:00~  ニコニコ生放送

 

 真矢は一騎を迎えに行ったのに、一騎は先に島へ帰ってしまった。そういえば『EXODUS』ではシュリーナガルから連絡機を飛ばしていたけど、移動している島に戻る方法が明らかにされていた。

 冲方丁が脚本になってから、一騎はアルヴィスで制服を着るようになる。ドラマCD『STAND BY ME』で制服の意味を描いていたけど、うまく補完したと思った。

 日野洋治から真矢を経由してザインの開発データがアルヴィスに渡った結果、ザインにリミッターを掛けることができたとも言える。

 

バーンズ「竜宮島を通して敵が人類の力を読んでいるのだ」
  史彦「では我々も島を通して敵の力が読めるわけだな」
一期17話

 『EXODUS』を見た後だと史彦の言葉通りということがわかる。自らのミールを持っている竜宮島は人類軍より有利。

 

音声「フェンリルコントロール、機体識別コードJ-O17へ移行」
一期17話

 映像でも「J-O17」と表記することによって視聴者にカノンの機体名を印象に残し、一期18話でカノンの自己紹介につないでいるのはうまい。

 

 一騎「カノン、お前と話がしたい」
カノン「なんの話だ」
 一騎「え、あ、なんか話そう」
カノン「なんかとはなんだ」
一期17話

 何度も見て一騎がカノンに話しかける場面は総士「さあ、話そうか」、一騎「話そうって」の場面を思い出して吹き出す。一騎と総士は似た者同士。

 

 日野家、遠見家、羽佐間家、真壁家と親子の話が続いた後に、アルヴィスの個室で一人フラッシュバックで苦しむ総士の姿はあまりにも対称的で痛々しさが際立つ。

 

史彦「君はパイロット同士で海に行くのだろう」
総士「そんな場合では…」
史彦「こんなときだからこそ、仲間との時間を大事にすべきではないのかね」

咲良「総士、あたしが勝ったらマークドライを最初に出撃させな」
総士「いいだろう」
咲良「一騎、パイロットはあんただけじゃないよ」
一期18話

 一期18話では一騎も総士もまだ物語開始時の気持ちが心のどこかに残っている。総士は史彦が諭し、一騎は咲良が諭す。一期18話の後を描いたドラマCD「NOW HERE」で二人の内面が描かれている。

 

 一騎、総士、咲良で往復1キロ泳いで競ったけど、ここで印象に残るのは総士がスポーツができるキャラだということ。こういう頭脳系のキャラはスポーツは今ひとつということが多いので意外だった。考えてみれば、総士は同級生の中で最初のパイロット候補だったわけで、左目の問題さえなければ戦う才能を持っていた。そして、それは『EXODUS』で証明される。

 乙姫は弓子が真矢のデータを改竄したのを知っていた上で、おそらく黙認していたんだよなあ。皆城公蔵がフェストゥムを島に呼び込んでパイロットの経験値を上げ、北極での決戦に備えるという大きな流れで見ると、真矢を温存していたという判断は正しい。乙姫も総士同様、亡くなった父、公蔵の意思を継いで行動している。

 ミツヒロは「策士、策に溺れる」を体現。実際、ミツヒロが島に来た理由はニヒトの電池として真矢が欲しかっただけ。