【物語の読み方】一騎と総士を理解する

 2015年12月26日、私が『EXODUS』26話を見終わった瞬間、呆然とした後に襲ってきた感情は「物語が終わらなかった」という失望と「物語が理解できない」という不安から来た怒りでした。私はこの怒りを「絶対に理解してやる」という言葉に変え、それから8年経った2023年12月25日、『EXODUS』だけでなく『蒼穹のファフナー』という物語を理解しました。

 

 『蒼穹のファフナー』は一騎が総士を理解する物語でした。それは『EXODUS』と『THE BEYOND』でも変わりません。一騎は『THE BEYOND』で総士を理解し終わったので、『THE BEYOND』をもって『蒼穹のファフナー』という物語は終わりました。一方、視聴者である私は一騎と総士を理解し終わった時、『蒼穹のファフナー』という物語が終わりました。

 私はキャラクターに対して「こういう人だろう」という先入観や「こういう人であってほしい」という願望を捨て、「具象と抽象」、「対比」、「因果関係」、「論理的推論(演繹法、帰納法、アブダクション)」といった文章を論理的に読む方法を使って物語を読むことによって、『蒼穹のファフナー』を理解していきました。『蒼穹のファフナー』は映像作品であるため、映像も論理的に読む必要がありました。そして、言葉と映像の両方で物語の最後まで読んだ時、『蒼穹のファフナー』は終わりました。『蒼穹のファフナー』はロジカルに作られている物語なので、論理的に文章を読む方法を学べば、誰でも一騎と総士の考えを理解することができます。

 『蒼穹のファフナー』は理解しないと先に進めないという作りになっているので、私はこの作品を通して「理解することの難しさ」を実感しました。