【蒼穹のファフナー】セリフを書き起こして思うこと

 『蒼穹のファフナーEXODUS』で過去の作品からのセリフの引用やら少し変えたものを使う場面が多く、その度にDVDやBDを見てセリフを探すのが面倒だった。話数がわかるものはまだいいんだけど、話数のわからないものはネットで話数を調べる始末。『EXODUS』の2クール目が始まる前に全部台詞を書き起こしちゃえと思い、シナリオが出版されている「Right of Left」以外、CDドラマを含め全部書き起こした。

 

 「EXODUS13話→HEAVEN AND EARTH→一期26話→CDドラマ4本」という順序でやった。『EXODUS』放送中に一期を26話から書き起こしていたんだけど、つまらない前半を最後にやるのは嫌ということで、『EXODUS』と『HEAVEN AND EARTH』を先にやり、その後一期は1話から始めた。

 今回、初めてアニメの台詞を1話丸ごと書き起こしたんだけど、物語の構成を知るという意味では脚本的に失敗した回がすごく勉強になった。冲方がクレジットに載る前の話数では、元のプロットと脚本家が肉付けした部分を見分けることができた。

 

・一期1話から15話まで印象

 1~3話はプロットの密度は高いが、設定は定まらずキャラの設定と性格が合っていない。
 4、5話は密度の薄いプロットに対して脚本家がうまく肉付けできず内容が薄い。
 6話は音楽に引きずられた演出面も含め完全に失敗。
 7話以降は詳細なプロットに沿って脚本家が書いていると思われる。
 脚本クレジットに冲方の名前が出る12話以降は設定の説明を行い、キャラの性格のブレも消えた。

 冲方が最初に一人で脚本を書いた16話は絶体絶命のピンチを主人公が救うという王道展開なので盛り上がった。

 

・一期前半の失敗した理由

 ロボット物の定番を外している部分があり、そこをスタッフ間で共有できていなかった。
前半の脚本家はSFを書くセンスがなかった。
一番の問題は主役の一騎と総士の関係を理解できなかったこと。

 一騎と総士は共依存の状態にあり、『EXODUS』を見ればわかるけど、設定を作った冲方しか書けないと思う。angelaの「FORTUNES」と「蒼穹」の歌詞は凄いと思う。

 

 冲方が参加する前の脚本でこれはないだろうと思った状況や台詞は、すべて本編とドラマCDですべてうまく説明及び昇華されていました。つまり私の引っかかった部分は冲方と全く同じだったということ。