2023年9月21日に『THE BEYOND』のサイトで公開された『蒼穹のファフナー THE BEYOND (TV Edition)』テレビ放送終了記念 能戸隆監督インタビューを読んだ感想です。この記事には総士の最後の言葉のネタバレが含まれています。
●最終回の後
『THE BEYOND』では能戸監督が「最終回のあとの世界」について話していましたが、一期の時は『蒼穹のファフナー BGM & ドラマアルバム II』のブックレットで、冲方丁が「最終回のあとの世界」について話していたことを思い出しました。逆に言えば、『THE BEYOND』は一期終了時同じように、現時点では続きを作る予定がないので、最終回のあとについて監督が話しているということになります。
●ザルヴァートル・モデル
美羽はどうなっているのかちょっと想像しがたいですが、ルヴィに会いに行き、海神島にザインと常駐しているような。
『蒼穹のファフナー THE BEYOND (TV Edition)』
テレビ放送終了記念 能戸隆監督インタビュー
海神島にマークザインが常駐しているとのことなので、竜宮島がザルヴァートル・モデルを独占することなく、竜宮島(マークニヒト)、海神島(マークザイン)、母艦オリンポス(マークレゾン)に分配され、マークアレスは世界全体を見守っています。
●台詞
冲方サミットのnoteの記事を読んだ時、総士の最後の言葉は「脚本に書いてあったが、映像にするときにカットした台詞」だと考えていたのですが、能戸監督のインタビューを読んだら「脚本には書いていなかったが、映像にする時に追加した台詞」だったので、驚きました。そのため、私の中でこの台詞のニュアンスが変わりました。
●言葉
総士の最後の言葉は2023年2月に冲方サミットのnoteで公開されていましたが、能戸監督がその時の状況について以下のように説明しています。
総士自体は発声はしていないとして、周りの美羽たちには聞こえていないし、口を動かしているのも気づいていないと想定してます。一騎をニコッとさせて島を出したかった。
『蒼穹のファフナー THE BEYOND (TV Edition)』
テレビ放送終了記念 能戸隆監督インタビュー
このシーンを追加したことで、一期26話ラストと『THE BEYOND』12話ラストは対になりました。一期26話のラストで総士の言葉を聞いた一騎は総士に向かって微笑み、『THE BEYOND』12話ラストでこそうしの言葉を一騎はこそうしに向かって微笑んだという形になりました。
●直接、言う
一期では乙姫が一騎に傷についての総士の考えを伝えました。
乙姫「あなたが総士を総士にした、大事な傷、自分である証。
総士はね、一騎に感謝してるんだよ」
一期15話
『THE BEYOND』ではこそうし自身が一騎に真実を教えたことについての自分の考えを伝えました。
こそうし「世界を見て回ったら、また真実を教えに来い!」
『THE BEYOND』12話
一期では「傷」が一騎と総士の絆になりましたが、『THE BEYOND』では「真実」が一騎とこそうしの絆になりました。
●第三アルヴィス
一騎は自ら外の世界へ甲洋と行くという胸アツな展開で終えることができました。(中略)この先、第三アルヴィスで補給や整備、休息を行いながら、世界を見て回り(以下略)
『蒼穹のファフナー THE BEYOND (TV Edition)』
テレビ放送終了記念 能戸隆監督インタビュー
この文章を読んだ時、『EXODUS』の放送開始時の冲方丁のインタビューを思い出しました。
古来、英雄とはそういうもので、彼らは外に出て行って、新たなコミュニティの誕生に貢献していくわけです。
『アニメージュ』2015年3月号
一騎と総士が誕生に貢献した新たなコミュニティ(第三アルヴィス)を、総士亡き後、一騎と甲洋が支えるという形になっています。