【蒼穹のファフナー THE BEYOND】「機動戦士ガンダム」と「蒼穹のファフナー」

 『ファフナー』は子どもが大人になる物語、つまり、子どもから見ると親離れする物語だったのですが、それは親から見ると親が子離れする物語だったことを意味します。 親の視点から『ファフナー』を見てみることにしました。

 

●親子:史彦と一騎

 『機動戦士ガンダム』第13話「再会、母よ…」のラストのキャラクターの行動と『THE BEYOND』のラストのキャラクターの行動を並べてみました。

   ・親(カマリア)は人形を手にした
  ・親(史彦)は  人形を手にした
 
  ・子(アムロ)は親(カマリア)に敬礼をした
  ・子(一騎) は親(史彦)  に敬礼をした
 
  ・ホワイトベースの艦長(ブライト)はカマリアに敬礼をした。
  ・アルヴィスの司令官(史彦)   は  一騎に敬礼をした。

 『機動戦士ガンダム』第13話「再会、母よ…」で親の子離れを描いていることを考えると、それとイコールの関係になっている『THE BEYOND』ラストで親の子離を描いていることが明確になりました。

 

 一騎は初めてファフナーに乗った日の夜、史彦にこう告げました。

一騎「俺、総士と一緒に戦うこと、決めたから」
史彦「そうか」
一期2話

 一騎はこの言葉を言った時、親離れしていたのです。しかし、史彦はあまりにも突然訪れた子の親離れについていけず、この後、一騎が幼い頃の写真を見て、涙を流していました。

 
 

 それから3年後の『HEAVEN AND EARTH』の時、一騎は史彦に以下のような提案をしています。

一騎「俺たちが島を守る。
   だから父さんは好きにしなよ」
史彦「何をしろと言うんだ」
一騎「ここで一緒に住むとか、遠見先生と」
史彦「は? はははは」
『HEAVEN AND EARTH』

 史彦の中ではまだ一騎は子どもであるため、史彦は一騎の提案を笑い飛ばしていました。

 つまり、史彦にとって『ファフナー』とは、子離れする物語だったのです。史彦は子どもの一騎がいなくなったことを受け入れるのに10年かかりました。そして、史彦が子離れした時、『ファフナー』は終わりました。

 

●親子:一騎とこそうし

 『THE BEYOND』12話ラストでは史彦(親)と一騎(子)の間の子離れだけでなく、一騎(親)とこそうし(子)の間の子離れも描かれました。

   ・カマリアと車に乗っている男
   ・こそうしとパイロット達のカット
 
   ・カマリアは旅立つホワイトベース(アムロ=子)を見送った
   ・こそうしは旅立つファフナー  (一騎 =親)を見送った

 こそうしはパイロット達と旅立つ一緒に一騎と甲洋を見送っていましたが、その場面は一騎(親)がいなくなった後のこそうし(子)が一緒に生きてく人々を現していることを考えると、旅立つアムロを見送るカマリアの後ろに見える車に乗っている男は、アムロ(子)が旅立った後のカマリア(親)が一緒に生きていく相手を示していると考えられます。