「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第10~12話の感想 Part6 の続きになります。
●こそうしと総士
こそうしは美羽の自己犠牲は自分の意志であるためやむを得ない、というアルヴィスの考えを否定したが、総士は翔子が亡くなった後、自分よりもまわりの人々の考えを優先し、その結果、自ら自己犠牲を望む人が生まれることを危惧していた。
総士「どんどん死にたくない者にまで、
敵と一緒に死ぬことを強要するようになる」
ドラマCD『NO WHERE』
総士は翔子が死んだ後、翔子の墓を汚すように指示し、翔子の悪口を流すことで、自分よりもまわりの人々の考えを優先する人が生まれないようにした。
里奈「えっ、羽佐間先輩って命令を無視して
マークゼクスを壊したって聞いてますよ」
一期10話
しかし、総士は言葉ではっきりと言わなかったので、その真意は伝わらなかった。そして、総士が危惧した通りの人が生まれてしまった。
彗「万一に備え、ブロックの切り離し準備を」
総士「すでにしている」
彗「安心しました。
僕らが全滅しても島は生き残る」
『EXODUS』5話
彗「武器がない、誰か武器を。
やだ、死にたくない、姉ちゃん」
『EXODUS』7話
●島の外
ミョルニア「人間は互いの選択によって異なる意思を持つ存在だ。
その意志が一つであれば、我々との調和がかなうだろう」
一騎「他に誰がいるんだ」
ミョルニア「お前と皆城総士、遠見真矢。
羽佐間カノンはすでに選択を終え、その記憶は我々とともにある」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』
一騎、総士、真矢、カノンの4人のうち、カノンは竜宮島の外からやってきた子どもで、一騎、総士、真矢は『EXODUS』で竜宮島の外を見た子どもだった。つまり、竜宮島を外から客観的に見られるようになった子どもが、竜宮島の未来を選んだということになります。
しかし、剣司が自分の意志で選んだのだからという理由で、美羽を自分を犠牲にするという行動を肯定したことを考えると、竜宮島の外の世界を知らない子どもが、親の世代とは別の道を選ぶのは難しかったのかもしれません。総士は前の世代の考えを何も考えずに受け継いでしまうことについて、警告してしました。
総士「どんな犠牲もただ受け継ぐだけでは、
破れぬ殻となって世界を閉ざすということを」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』
●生と死の循環を超える命
ミョルニア「人間は互いの選択によって異なる意思を持つ存在だ。
その意志が一つであれば、我々との調和がかなうだろう」
ミョルニア「お前たちの選択によってここにある道が変化を迎えた
ここを進めば我々とお前の調和の可能性が開かれるだろう」
ドラマCD『THE FOLLOWER2』
一騎、総士、真矢、カノンの4人の選択が一騎に竜宮島ミールの調和、つまり生と死の循環を超える命を生み出した。そして、一騎はそれを受け取ることを選んだ。
カノン「お前が世界を祝福するなら、
我々が生と死の循環を超える命を与えよう」
一騎「選ぶよ。
まだ俺にも命の使い道があるなら
それを知るために生きたい」
『EXODUS』24話
一騎に与えられた生と死の循環を超える命は一騎に生きていてほしいという総士、真矢、カノンの願いから生まれたものなのかもしれません。