「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第10~12話の感想 Part12-補足-

 「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第10~12話の感想 Part12 を書いた後、「『THE BEYOND』のラストを飲み込めなくてつらい」という感情が生まれてしまった。この感情を飲み込む方法を考え続け、数日後、20年前に読んだ本を手に取った。それは娘と妻を失った後、一人で旅に出た Neil Peart が自身の体験を綴った『Ghost Rider: Travels On The Healing Road』(2002年)だった。

 この本は1998年8月、Neil Peart がカナダ、ケベック州の自宅を出る場面から始まるのですが、行き先も期間も決まっていなかった。

 

 旅を終えた後、Neil Peart が出した結論はこの本の冒頭に書いてあります。

Dedicate to the future
with the honor to the past

We’re only immortal for a limited time
    DREAMLINE, 1991
Neil Peart『Ghost Rider: Travels On The Healing Road』

 日本語に訳すると以下のようになります。

未来に捧げる
過去への敬意とともに

私たちは限られた時間の中でだけ不死である
   「DREAMLINE」(1991年)

 一騎にとって限られた時間とは『THE BEYOND』11話の回想シーンで描かれた時であり、総士がいなくなった後、一騎は総士と一緒に生きていた時の記憶とともに、一人で生きて行くのでしょう。