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【冲方式】ストーリー創作塾(宝島社)

 自作の『マルドゥック・スクランブル』、『カオス・レギオン』、『蒼穹のファフナー』で著者が実際に作成したメモを公開して、キャラクターの作り方、プロットの立て方を紹介した本。冒頭にも書いてあるとおり、十代の作家志望者に向けた内容です。

 2005年1月にジュンク堂で話した内容を本にしたという感じかな。

「蒼穹のファフナー」BGM2の感想

 音楽担当は元クライズラー&カンパニーの斉藤恒芳。名前を見ただけではピンとこなかったのですが、過去の経歴を見ていて『時空転抄ナスカ』(サントラの出来がいいことで有名。未聴)で、なるほどと思いました。

 1曲目は最終話で乙姫がXXしたあとに流れた曲ではないですか(泣) 残念ながら本編ではあまり使われてない曲が多いのですが、音楽の完成度としてはこちらの方が好みです。バロック的な曲調の23「存在の苦痛」と20世紀的なピアノを打楽器的に使っている13「同化」といった感じで音楽的には非常に幅広いものになっています。作曲者がピアニストということでオーケストラとピアノが一緒に演奏する曲も多く、これまで私が聴いてきたサントラではあまり聴かれなかった音なので新鮮でした。

 作品での使われた方を加味すると30「蒼穹作戦」が一番好きです。

「蒼穹のファフナー」BGM&ドラマアルバムII

 サントラは基本的に映像を見て、音楽がいいなと思ったら買うものだと思っています。サントラは音楽を聴いて、場面を思い出すのが一番良い聴き方だと思うのですが、残念ながら映像と音楽の趣味が一致することは少ないです。実際、ファフナーのサントラの1枚目はワルシャワ・フィルを使っているので買ったという感じでした。運良く2枚目は作品のファンとして買うことができました。

 ブックレットには8Pに渡って冲方丁のインタビューが掲載されています。キャラクターの配置とかについても話していますが、一番の注目点は冲方丁の考える「最終回のあとの世界」が語られていることだと思います。

 ドラマは18話と19話の間を埋める物語です。真矢をファフナーに乗せたくない一騎が総士に頼むという内容。ドラマを聞くと、19話のラストで真矢に手を差しのべる一騎の姿を見て、その場を去る総士の気持ちがよくわかりました。