【物語の読み方】証明する

 竹山美宏 『数学書の読みかた』(森北出版)によると、数学の学習は以下のステップを踏むという。

  1. 数学用語・記号の定義と、それが表す概念(意味)を学ぶ。
  2. 学んだ概念に関する定理とその証明を理解する。
  3. 証明した定理を使って問題を解く。

 

 私は『蒼穹のファフナー』を以下のステップを踏んで理解しました。

  1. 物語の中で使われている固有名詞の定義と、それが表す概念(意味)を理解する。
  2. 物語の中にある命題を証明する。
  3. 自分で命題を立て、定義と証明した命題を使って証明する。
  4. 証明した命題を使って問題を解く。

 それぞれの段階でやったことを説明していきます。

 1. アニメ、ドラマ、ノベライズ、コミカライズの台詞と設定を知っているスタッフ(脚本家、監督)の言葉を定義と命題に分類し、固有名詞の意味を理解しました。

 2. 命題を証明します。ただし、それまで定義と証明した命題のみを使って、新たな命題を証明するというルールを設けたため、証明できる命題から証明していきました。証明した命題が一定数を超えると、頭の中に以下のような体系が作られました。


『EXODUS』17話より引用

 体系ができると、これまで解くことのできなかった命題を解くことができるようになりました。

 3. 2019年11月から「〇〇はXXなのではないか」という仮説(命題)を、証明し始めました。自分で立てた仮説(命題)を証明できた場合、物語の中では描かれていない部分が見えるようになりました。

 4. 物語から出題された問題(例:『EXODUS』24話のカノンの台詞「お前は世界の傷をふさぎ、存在と痛みを調和させる者。我々はお前によって世界を祝福する」)を解きました。

 物語を理解し終わると命題が立てられなくなります。その時が物語の終わりです。