現在、GYAO!で一期が週2回(月・木)のペースで配信されています。一期19、20話を見た感想です。
・咲良=親世代?
一期19話はついにファフナーに乗ることになった真矢回だが、今回見て直して印象に残ったのは真矢ではなく咲良だった。咲良は父、誠一郎は一期1話、戦闘機で出撃し、通常兵器でフェストゥムを攻撃するが歯が立たず、逆にフェストゥムに殺されてしまったことから、父の敵を討つためにファフナーに乗って戦っていた節がある(※1)。ファフナー搭乗時の咲良は変性意識により好戦的で「敵を倒せるならなんだっていい」(※2)とまで言っていた。ある意味、咲良は自分の親の世代の考えを背負ったキャラクターだったのかもしれない。
一期19話で竜宮島にやってきたフェストゥムは初めて竜宮島に現れたタイプだったが、フェストゥムに同化された甲洋という存在が呼び込んだも同然だった。
史彦「彼自身がフェストゥムの元へ帰りたがっている。
コアギュラ型が彼を迎えに来たのはその証拠だ」
一期20話
〈コアギュラ型〉
基本的には同化しかせず、攻撃されると反撃する
『蒼穹のファフナー Blu-ray BOX』ブックレット
一期19話の戦闘でフェストゥムに取りつかれた咲良は同化されかけたと言ってもいいだろう。咲良は同化という形でフェストゥムの世界に触れたことで、フェストゥムに対する気持ちが変わったのかもしれない。総士のこの言葉を思い出した。
総士「彼らの世界に触れるには彼ら自身に触れるしかないということだ」
『EXODUS』14話
乙姫がフェストゥムになった甲洋を目覚めさせたが、咲良は同級生と一緒に甲洋をかくまった。
澄美「咲良、あんなにフェストゥムを憎んでたのに」
一期20話
親の世代の考えを背負ったキャラクターである咲良は、フェストゥムに触れたが故に、親の世代とは別の道を選ぶことができたのかもしれません。
竜宮島回覧板(※3)に気になる一文がありました。
【要咲良(かなめさくら) AGE19】
精神のみとはいえ「フェストゥムの無から復活した」のは総士と同じ
竜宮島回覧板 EXODUS第2号
『THE BEYOND』のPVで剣司との間に子供がいることが明かされていますが、フェストゥムの無から復活した人の子という意味では、剣司と咲良の子供はこそうしに近い存在なのかもしれない。
・生きる場所
溝口「この島に来てからさ、生きることを考え出したのは」
道生「俺もそうですよ」
溝口「だろう」
一期20話
一騎が一緒に戦った人類軍兵士と竜宮島を訪れたミツヒロの言葉を思い出した。
人類軍兵士「命は惜しくない」
一期14話
ミツヒロ「勝てるなら何も残らなくていい」
一期18話
竜宮島の外の世界では個人よりも人間という種を守ることが優先されるため、自分の意志で自己犠牲的な生き方をしがちである。
・同化された後
咲良「死ぬのは嫌、でも逃げない。
父さんを殺した敵を一体でも多く倒したいの」
一期7話
咲良は自分を奮い立たせるかのように母にこう言っていた。しかし、コアギュラ型に同化されかけた後、本音を言えるようになった。
咲良「母さん、怖かった、怖かったよ」
一期19話
翔子がいなくなった後、甲洋は同じ戦場に立っていた一騎を責めた。
甲洋「お前なら助けられたはずだ。
お前はファフナーに乗っていたじゃないか。
お前なら」
一期7話
泣きたかったのだろうが、この時、甲洋は泣けなかった。しかし、フェストゥムに同化された後、目覚めた甲洋は翔子がいなくなったことを思い出した時、やっと泣くことができた。
甲洋「一騎、翔子が、翔子が」
一期20話
咲良も甲洋もフェストゥムに同化された後、意地を張って他人には隠していた本音を吐き出せるようになった。
※1 もっとも咲良自身は「1体でも多く倒せば父さんの供養になるって信じてた」(一期21話)と言っていた。
※3 竜宮島回覧板は閉鎖されたXEBEC Zweiのサイトに掲載されていた。