【蒼穹のファフナー】紅音の祝福

 2133年、竜宮島で以下のような事件が起こった。

2133年
真壁紅音は、一騎の母親で、日本自衛軍のエース・パイロットだった。
だが、竜宮島での戦闘中、史彦をかばってフェストゥムに同化された。
『EXOUDS』公式サイト SPECIAL/CHRONOGY

 一期24話、ミョルニアはこの事件の真実を話した。

 

 竜宮島を訪れたミョルニアは紅音が同化された時に考えていたことを史彦に伝えた。

ミョルニア「それは、真壁紅音が自ら同化を望んだということだ」
   史彦「もう一度言ってみろ」
一期24話

 ミョルニアの言葉は紅音が史彦よりもフェストゥムを選んだと言ったも同然だった。史彦が怒るのは当然のことだろう。ミョルニアは史彦の言葉に気を取られることなく、説明を続けた。

ミョルニア「むろん、真壁紅音自身にとってもそれは不測の事態だった。
      だが我々と接触した瞬間、我々を迎え入れ、祝福した」
一期24話

 上記のミョルニアの言葉は以下の言葉に置き換えることができるのではないだろうか。

自分と異なるものと分かり合えるために自分を失うこと――それは新約聖書が言うアガペー(愛)に他ならない。
大貫隆『隙間だらけの聖書』(教文館)

 フェストゥムを祝福するということは、以下のような場所に行くことを意味していた。

それまでの自分を捨てて異質なもの、未知のものとの交わりと相互理解へと出てゆく危険と冒険の場所になる。
大貫隆『隙間だらけの聖書』(教文館)

 元の自分に戻れるのかどうかはわからない。それでも紅音は旅立っていった。