『BEHIND THE LINE』を見終わった後、『蒼穹のファフナー』という物語全体を見た時の感想です。
●一騎と総士
『蒼穹のファフナー』では一騎と総士を通して、さまざまな人間関係が描かれました。一期は同級生と友人、『BEHIND THE LINE』と『EXODUS』は兄弟、『THE BEYOND』は親子であり、父母でした。『BEHIND THE LINE』を見終わった後、頭に浮かんだのは以下の言葉でした。
友はもうひとりの自己である。(※1)
アリストテレス『ニコマコス倫理学』第9巻第9章
一騎と総士は常に物事を自分とは別の視点で見ている存在なのだと思います。
●白紙の未来
一騎を主人公として『EXODUS』以降の物語を見ると、以下のように総括できると思います。
- 『BEHIND THE LINE』は一騎が史彦、真矢と別れる物語だった。
- 『EXODUS』は総士が一騎と別れる物語だった。
- 『THE BEYOND』は史彦と真矢が一騎と別れる物語だった。
『THE BEYOND』は一騎が総士と別れる物語だった。
一騎は史彦、真矢、総士とお互いに納得して別れたことで、自由な存在になりました。つまり、一騎は竜宮島から旅立った時、白紙の未来を手に入れたのです。
●私の旅の終わり
2009年12月末の『HEAVEN AND EARTH』の制作発表から13年2ヶ月、この記事を書き終わった時、『蒼穹のファフナー』の終わりを探し続けた私の旅は終わりました。
※1 訳文は河島思朗『ギリシャ語練習プリント』(小学館)から引用しました。