【物語の読み方】練習問題

 『BEHIND THE LINE』で出した答えと『EXODUS』と『THE BEYOND』で出した答えが逆になっていましたが、それは『蒼穹のファフナー』を理解する手がかりそのものでした。『BEHIND THE LINE』を使って、私が『蒼穹のファフナー』を理解する方法を紹介します。

 

 まず『BEHIND THE LINE』と過去の作品を比較し、「同じ状況だけど、結果が違うもの」や「違う状況だけど、結果が同じもの」を見つけ、言葉で表現します。この時、「同じ部分」と「違う部分」が明確になっている文章を書きます。

  解答: 『EXODUS』17話
  祭りで花火が打ち上げられている時、カノンはいなくなった。
『BEHIND THE LINE』
  祭りで花火が打ち上げられている時、カノンはいなくならなかった。

 次に答えを「同じ部分」と「違う部分」に分けます。

  同じ: 『EXODUS』17話
  祭りで花火が打ち上げられている時
『BEHIND THE LINE』
  祭りで花火が打ち上げられている時
 
  違う: 『EXODUS』17話
  カノンはいなくなった。
『BEHIND THE LINE』
  カノンはいなくならなかった。

 『EXODUS』17話と『BEHIND THE LINE』で違う結果になった理由を考えます。一つだけ理由を書いてみます。

  解答: 『EXODUS』17話
  祭りの前、カノンはファフナーに乗り続けた。
『BEHIND THE LINE』
  祭りの前、カノンはファフナーには乗っていない。

 理由は一つとは限りません。これ以外の理由を考えてみましょう。

 理由を書く時に使えるものは、作品で描かれた事実、台詞、設定資料(自分で一次資料を確認したもののみ)、理由として使えないものは、作品やキャラクターに対する自分の考えと感情です。

 

 『ファフナー』では自分で問題を立てることを求められていますが、慣れないうちは難しいと思うので、練習問題を作りました。以下の文章を「同じ部分」と「違う部分」に分け、「同じ理由」と「違う理由」を考えてみましょう。

  問1: 『BEHIND THE LINE』
  一騎は喫茶楽園にいることを選んだ。
  真矢は喫茶楽園を出ていった。
『THE BEYOND』12話
  真矢は喫茶楽園にいることを選んだ。
  一騎は喫茶楽園を出ていった。
 
  問2: 『BEHIND THE LINE』ラスト
  一騎は喫茶楽園の外で二本の飛行機雲を見ていた。
『THE BEYOND』12話ラスト
  こそうしはひとり山の頂上で二本の飛行機雲を見ていた。
 
  問3: 『BEHIND THE LINE』
    真矢「忘れないけど、許してあげる」
『THE BEYOND』10話
  こそうし「許しはしないけど、理解してやらなくもない」

 この後は物語全体に目を向け、自分で問題を立て、「同じ理由」と「違う理由」を書いていくことになります。私はこれを繰り返すことによって、作品の中では描かれていないキャラクターの考えと感情がわかるようになりました。

 『ファフナー』は物語に対して「なぜ?」と問いかけ、自分でその理由を探す物語です。これこそ、自分とは違う考えを持つ他者の考えを知るための方法なのです。