【蒼穹のファフナー THE BEYOND】本当の物語の終わり

 私にとって『蒼穹のファフナー』は終わりがどこなのか、全くわからない物語だったのですが、2023年8月6日、すべてのエンディングを見終わった時、物語の終わりに到達しました。

 具象を抽象に置き換えた後に浮かび上がる物語からのメッセージを読み取った時、物語は終わるということか。

 具象を抽象に置き換えた時に出てきた言葉は、私が中学生の時から探していた答えそのものでした。私は長年、探していた答えをついに手に入れたのです。

 

 『蒼穹のファフナー』における祝福とは「私があなたの望みをかなえた時、私はあなたから私が欲しいものを手に入れることができる」でした。つまり「真矢、こそうし、一騎から見た物語の終わりを見たい」と思った視聴者は、物語の望みをかなえた時、「真矢、こそうし、一騎から見た物語の終わり」を見ることができる、ということになります。しかし、物語はフェストゥムと同じく、視聴者と会話をすることができません。そのため、視聴者は『蒼穹のファフナー』の登場人物のように、会話することのできない物語の望みが何であるのかを、考えなければならないのです。

 私はラテン語愛好家、山下太郎の言葉を思い出しました。

読む行為とは古代の作家と対話することであり、語彙や文法がわかっても一筋縄で読めないところが面白いところです。

あなたの言いたいことはああなのか?こうなのか?とこちらから問い続けないと作家は心を開きません。
2021-05-28 古典との対話