【蒼穹のファフナー THE BEYOND】I remember now

 アメリカのヘヴィメタルバンド Queensrÿche が1988年に発表した『Operation: Mindcrime』はアルバム1枚を使って一つの物語が描かれています。物語のあらすじは以下のサイトを参照してください。

#010. 34年前、QUEENSRYCHEは確かに革命を起こしたのだ。

 

 

 『Operation: Mindcrime』は主人公ニッキーの “I remember now” という言葉で始まりますが、この言葉について Queensrÿche のヴォーカル、ジェフ・テイトは以下のように説明しています。

アルバムの最初の部分の “I remember now” というのは、思い出し始めたというニュアンスであり(以下略)
『BURRN!』1989年7月号

 『THE BEYOND』4話、こそうしは偽竜宮島から連れ出され、海神島で暮らし始めた後、海神島で暮らしていた時のことを思い出し始めます。

こそうし「僕はここ、知ってる」

こそうし「この島の砂浜を誰かと歩いてた。
     あれは、誰?」
『THE BEYOND』4話

 『Operation: Mindcrime』はニッキーが自分の過去を思い出す物語でしたが、『THE BEYOND』もこそうしがマリスによって改竄された自分の過去を思い出す物語でもありました。

 

 『Operation: Mindcrime』の2曲目の「Anarchy-X」から14曲目の「My Empty Room」でニッキーが思い出した過去を描き、15曲目の「Eyes of a Stranger」で現在に戻り、ニッキーの “I remember now” という言葉で終わります。この言葉についてジェフ・テイトは以下のように説明しています。

 ひととおり思い出した後で、ようやく総てがわかって、最後に “I remember now” とつぶやくのさ。
 ニッキーは総てを理解した。ここで物語は閉じる。
『BURRN!』1989年7月号

 『THE BEYOND』は『Operation: Mindcrime』と同じく、主人公が自分の過去を思い出す物語であることから、『THE BEYOND』が終わった時には、こそうしは幼い頃、海神島の砂浜を一緒に歩いていた人を思い出し、自分の身に起きたことをすべてを理解していたのではないだろうか。