冲方「一騎と総士の関係が、上手くフェストゥムと人類の関係になっています」」
「冲方丁×プロデューサー座談会」(※1)
冲方「それ(『EXODUS』14話で総士が無の世界について話したこと)は一騎がより総士の側に行き、真矢がより人間の側にいくっていう三者の関係を現している」
「特典座談会 ゲスト:冲方丁」(※2)
一期~『EXODUS』では総士と一騎がフェストゥムと人間を象徴していたのに対して、総士がいなくなった『THE BEYOND』では一騎と真矢がフェストゥムと人間を象徴していました。
●総士と一騎
『EXODUS』26話、フェストゥム(総士)は子ども(こそうし)を残しました。
コアは生まれ変わる前の記憶と知識を持っているため、竜宮島ミールのコアは生まれ変わる前の自分の名前で呼ばれることを拒みました。
芹「ああ、乙姫ちゃん」
織姫「私を皆城乙姫と呼ばないで」
『EXODUS』6話
しかし、フェストゥム(総士)が残した子ども(こそうし)は、人間と同じように生まれ変わる前の記憶と知識を持っていないので、生まれ変わる前の自分と同じ名前で呼ばれた時、普通に返事をしていました。
一騎「行こう、総士」
こそうし「うん」
『EXODUS』26話
『EXODUS』ではフェストゥムが人間を理解した証として、フェストゥム(総士)は人間(一騎)に対して、人間と同じく生まれ変わる前の記憶と知識を持っていない子ども(こそうし)を託したところで物語は終わりました。
●一騎と真矢
陣内「彼は敵に同化されたんですか」
剣司「いえ、俺達が敵だと教育されたんです」
『THE BEYOND』4話
フェストゥム(一騎)はフェストゥムが教育した子ども(こそうし)を人間(真矢)に託しました。
一騎「あいつを頼む」
『THE BEYOND』4話
真矢は一騎から頼まれたものの、フェストゥムが教育した子ども(こそうし)と一緒に暮らすことに抵抗がありました。
美羽「ねえ、うちに連れてきちゃ、だめ?」
真矢「うちって。
何言ってるの美羽ちゃん」
美羽「だって、ほら、その方が見張りしやすいし」
真矢「うーん」
『THE BEYOND』5話
しかし、マリスがこそうしが連れ戻そうとするのを見た後、真矢は美羽の提案を受け入れ、フェストゥムが教育した子ども(こそうし)と一緒に暮らすことになりました。
美羽「うちに来ていいんだよ、総士」
こそうし「君、だれと暮らしてるんだ」
真矢「私と私の母」
こそうし「えっ、家族ですか」
美羽「なんでお姉ちゃんには丁寧なの」
こそうし「うるさいな」
真矢「来たければ来なさい。
気に入らなければ、別の家を探して」
『THE BEYOND』5話
真矢は竜宮島に帰ってきた後、フェストゥムが教育した子ども(こそうし)と一緒に暮らすことを選びました。
美羽「ねえ、やっぱりアルヴィスに住むの?」
こそうし「君ん家だと家事の分担が不公平だ。
僕がほとんど料理してるじゃないか」
美羽「総士がこだわるからでしょ」
真矢「分担は減るよ。
あたしも住むから」
『THE BEYOND』12話
『THE BEYOND』ではフェストゥムが育てることを理解した証として、フェストゥム(一騎)は人間(真矢)にフェストゥム(フロロ)が育てた子ども(こそうし)を託し、人間(真矢)がそれを受け入れたところで物語は終わりました。
総士が「生まれ変わる」、つまり「死んだ」後に別の存在として「生まれること」を選んだ結果、竜宮島ミールは「死」を体験することによって「死」を理解しました。その結果、人間の「生まれる」を理解し、総士とは別の人格を持つこそうしが生まれました。人間から生まれたフェストゥムであるマレスペロは、竜宮島ミールが「死」と「生」を理解した証であるこそうしをフロロ、レガート、セレノアに託すことで、フェストゥムに「育てる」ということを教えました。
※1 『蒼穹のファフナー Blu-ray BOX』付属のブックレットに掲載。