蒼穹のファフナー THE BEYOND 第1~3話の感想 Part11

 『THE BEYOND』1巻を購入後に見た感想のうち、『THE BEYOND』第1~3話にまたがる内容をまとめました。

 

・第1~3話の本編の時間

 各話はテレビでの放送できるように1話以外は(アバン)OP、Aパート、Bパート、ED、次回予告という構成になっていますが、本編の時間は各話バラバラでそのままテレビで放送できる作りにはなっていませんでした。本編の時間は以下の通りになります。

  • 1話:26分47秒
  • 2話:25分59秒
  • 3話:23分31秒

 『EXODUS』の本編は21分20秒で作られているので、『THE BEYOND』がテレビ放送される時は『EXODUS』1話のように一部カットされると思われます。

 

・平和な理由

こそうし「父さん、ベノンにいたんでしょ。
     戦いになったら島を出て参加するの」
レガート「それが義務だからな。
     でも父さんは平和が好きだ。
セレノア「私も」
 フロロ「あたしも」
 マリス「僕も」
『THE BEYOND』2話

 真実を知っている両親、妹、マリスの4人は戦いについての話を続けようとするこそうしの気を “平和” という言葉を使って必死で逸らそうとした。こそうしは別の言葉で家族に尋ねた。

こそうし「でも敵が来たら戦わないと」
セレノア「大丈夫。
     ここはずっと平和だもの」
こそうし「なんでわかるのさ。
     外の世界がどうなっているのか誰も知らないのに」
レガート「知る必要はないだろう」
『THE BEYOND』2話

 しかし、マリスはこそうしに誰かが生きるために誰かが犠牲になる世界を捨てて生きること(※1)を望んだため、この島がずっと平和な理由、すなわち誰かを犠牲にして島を守っているとは言えない。一方、レガート、セレノア、フロロという三人のフェストゥムには偽竜宮島が平和である理由は不要だった。『EXODUS』でミツヒロに「理由なき憎しみ」を教えたプロメテウスを思い出す。しかし、人間であるこそうしにはなぜこの島だけが平和なのか、その理由が必要だった。

 

・一騎の右手

 一騎にとって総士を傷つけた右手は忌むべきものだったが、アビエイターとの戦いの最中、右手は同化現象に襲われ、根本まで同化されて失った。一騎が竜宮島のミールから生と死の循環を超える命が与えられた時、新たな右手が与えられた。

 『THE BEYOND』1話で一騎は左手で敵の攻撃を受け止め、『THE BEYOND』2話では左手でフロロを同化した。しかし、『THE BEYOND』2話の偽竜宮島の住人の姿に扮していたフェストゥムを同化した時と『THE BEYOND』3話でこそうしの痛みを引き受ける時、一騎は右手を使った。

 一騎にとって人間の右手は総士を傷つけた忌むべきものだったが、竜宮島のミールから与えられた右手はこそうしを守るものに変化していた。

 

・クロッシング

 『THE BEYOND』1話、セレノアがジークフリード・システムに侵入し、クロッシングで同化しようとした。かつてコア型フェストゥムである乙姫がシステムなしで一騎とクロッシングしたことを考えると、システムを奪ったフェストゥムがクロッシングを理解するのは時間の問題だったということになる。

 『THE BEYOND』3話ではセレノアがファフナーに乗って戦うマリスとレガートのコックピットに赤い姿で現れたことから、セレノアがシステム担当者となり、クロッシングでマリスとレガートに指示を出していたと思われます。人間がフェストゥムの読心能力を防ぐためのシステムであるクロッシングを理解したことで、フェストゥムが人間を兵士にすることができるようになったのではないだろうか。

 

・人間対人間の戦い

レガート
人間の戦い方を学習しており、ソルダート化された元人間の兵士を指揮している。
『THE BEYOND』第1~3話パンフレット

 ソルダード(soldato)という言葉はイタリア語で兵士を意味する単語ですが、現時点で「ソルダード化」という言葉の意味は不明。こそうしの言葉からベノンにもファフナーがある可能性が高い。

こそうし「ねえ、ファフナーは見た。
     僕、写真でしか見たことない」

こそうし「ベノンの主力兵器何だぞ。
     エスペラント軍から世界を守ってくれてるんだ」
『THE BEYOND』2話

 ベノンは人間の兵士の捕獲するためにフェストゥムを人類軍を戦わせており、人類軍は兵士の消耗率が激しく、慢性的な人員不足に悩まされている可能性が高い。『THE BEYOND』3話にそれを伺わせる会話があった。

容子「私たちエンジニアにまでアルヴィスを操艦させて。
   早く増員してください」
溝口「羽佐間さんには悪いが、今はこれが限界だよ。
   簡単に人が育てば苦労はない」
『THE BEYOND』3話

 新国連はフェストゥム因子に感染した20億の人間(※2)をフェストゥムと戦うために必要な使い捨ての兵士とか見ていなかった。新国連の作戦を横で見ていたマレスペロは新国連が使い捨てと考えている兵士を捕獲して、ソルダード化することで自軍の兵士に仕立て上げ、人間同士を戦わせ、人類自体の数を減らそうとしているのだろう。

 

 マリスはこそうしとパイロット候補生である二人の子ども※3)を連れ去り、ロケットで北極にある偽竜宮島に到着した。

 だが、偽竜宮島でこの二人の子どもの姿を見ることはなかった。この二人の子どもはベノンの兵士として教育された可能性が高く、今後、ベノンが海神島と戦う時にファフナーのパイロットとして登場するのではないだろうか。

 

 

 以下は『THE BEYOND』1巻のブックレットの内容になります。

・身長差

 『THE BEYOND』1巻のブックレットに一騎とこそうしの身長が掲載されていました。一期では一騎が169cm、総士が173cmで二人の身長差が4cmだったのに対して、『THE BEYOND』では一騎の身長が175cm、こそうしの身長が166cmで、二人の身長差が9cmと差が開いています。

 

・ボレアリオス

真壁一騎
痛みを調和するため、戦闘後は長い眠りにつく。その間、彼の存在は操がコアを務めるミール〈ボレアリオス〉で保護されている。
『THE BEYOND』1巻ブックレット

 北極ミールに同化され肉体を失った総士はボレアリオス・ミールに保管され、肉体を取り戻すまで操が守り続けた。総士とは対照的に一騎の場合、ボレアリオス・ミールが保護しているのはその肉体だった。

 

・マレスペロの予言

 『EXODUS』26話、一騎が総士ととも存在と無の地平線を越えた場合、一騎は島に還ってしまうが、総士は転生。こそうし誕生から2年後、マリスがこそうしと二人の子どもを連れ去り、第5次蒼穹作戦が実行されるも失敗。

【総士を取りもどすために】
アキレス単騎での総士捜索に出ていた一騎は、北極近くで微弱な電波を受信する。
『THE BEYOND』1巻ブックレット

 一騎がいない場合、アルヴィスはこそうしを発見することができず、マレスペロはこそうしを使って竜宮島とアルタイルを手に入れることになる。地球で最後の人間となったこそうしに真実(生まれ育った島と家族が偽物)を告げた後、自らの名を名乗るのだろう。「マレスペロ」と。

マレスペロ「マレスペロ。
      僕が人間に与える最後の言葉だ。
      意味はわかるね」
  マリス「絶望」
『THE BEYOND』1話

 『THE BEYOND』1話にあるこの台詞は、こそうしを手に入れたマレスペロが来たるべき未来を予言した言葉だった。マレスペロはフェストゥムに痛みを教える存在である皆城総士を痛みを知らない人間として育て、想像を絶する絶望を教えて消そうとしたのである。

 一つ選択を間違えただけで竜宮島だけでなく世界も滅びるというのはさすがに厳しい。

 

 

※1 『THE BEYOND』1話、偽竜宮島に到着したマリスはこう言った。「誰かが生きるために誰かが犠牲になる。そんな世界を捨てて生きよう、総士」。

※2 『EXODUS』23話でバーンズが話していた。

※3 『THE BEYOND』第1~3話パンフレット、STORY/第一話「蒼穹作戦」に「パイロット候補生だった島の子供達」という一文がある。